cleantech情報収集3

さて前回からだいぶ経ってしまいましたが、前回の続きです(スター&トラバありがとうございます。)

■米国start up cleantech 投資額上位10社(6位〜10位)

<企業、投資額はClean Edgeの資料から引用。備考、Patent出願数(米国内のみ)はIRIS123調べ>

6位 Luminus Devices
Primary Sector: Efficiency(Green Building)
2008 Total Invested (U.S. $ Million): $72.00

備考:PhlatLightテクノロジー(Photonic Lattice Light Source:大画面リアプロテレビ、プロジェクターを投影するのに十分な輝度を提供する高性能LED光源)の技術を保有。LEDの光を表示素子の方向に直進させることができるため、従来のLEDの5〜10倍の明るさを実現。日亜化学工業とクロスライセンス締結。2002創業からIPを積極的に取得。

2008 2007 2006 2005 2004 2003
特許出願件数 5 14 18 7 8 7


7位 Fisker Automotive
Primary Sector: Efficiency(Transportation)
2008 Total Invested (U.S. $ Million): $65.00

備考:プラグインハイブリッド車のスポーツカー「KARMA」を2009年に発売予定。110/120Vの家庭用電源で充電可能なLiイオン2次電池を搭載し、1充電当たり50マイル(約80km)のEV走行が可能。Quantum Energy Technologiesの1996-2002の特許技術を利用か?

2008 2007 2006 2005 2004 2003
特許出願件数 0 0 0 0 0 0


8位 GridPoint
Primary Sector: Efficiency(Digital Energy)
2008 Total Invested (U.S. $ Million): $63.50

備考:電力網(電気需要)を管理するソフトウェア(情報システムプラットフォーム)を開発。スマートグリッドの分野。家庭向け太陽光発電管理システムやハイブリッド電気自動車の利用管理に特化したアプリケーションの開発を行なっている。

2008 2007 2006 2005 2004 2003
特許出願件数 0 0 0 0 0 0


9位 Ausra
Primary Sector:Solar
2008 Total Invested (U.S. $ Million): $60.60

備考:Compact Linear Fresnel Reflector(太陽の向きに併せて可動する平面反射板により太陽光を集め、チューブ内で発生した水蒸気を使い発電を行なう)に関する技術を保有。従来の技術の組み合わせで新しいビジネスモデルを構築。

2008 2007 2006 2005 2004 2003
特許出願件数 0 0 0 0 0 0


10位 Infinia
Primary Sector:Solar
2008 Total Invested (U.S. $ Million): $57.00

備考:スターリングエンジンを大型太陽集熱器と組み合わせた公共利用規模の再生可能エネルギー技術を開発。スターリングエンジンは19世紀に発明されたもので、シリンダー内のガス(もしくは空気等)を外部から加熱・冷却して仕事を得る外燃機関のことで熱エネルギーを運動エネルギーに変換する効率が非常に高い。

2008 2007 2006 2005 2004 2003
特許出願件数 0 1 0 5 2 0


■ビジネスモデルありき

さてこうやって投資を多く集めた企業を整理して気付いた点を列挙してみました。

・cleantechの中でも一つの技術に集中して投資が集まっているわけではないこと。各種の太陽光発電バイオエタノールスマートグリッドと様々なビジネスモデルに対して分散投資が行われているのがわかります。

・cleantechの中でも投資の傾向が変わりつつあること。corn-based ethanol生産会社であったAventine Renewable Energy等が最近、米連邦破産法11条(日本の民事再生法にあたる)の適用を申請(NEWS)したように、corn-based ethanol生産会社は原油価格の下落とともに事業採算が悪化しているようで、上記の企業の中にもcorn-based ethanol生産会社は入っていません。cleantechの中でも投資が集中するビジネスモデルは常にうつりかわっているということなのでしょう。

・ビジネスモデルありきということ。各社の特許出願(特許登録状況)も確認してみましたが、競争の激しいLED分野のLuminus Devices以外はそれほど自社で特許出願が行われていませんでした。特許のライセンス状況については調べていないので、社内で知財戦略がどれほど重視されているかは断定できませんが、自社で新規に技術を次々に創出していくというよりか、既存の技術を用いてビジネスモデルで勝負するという企業が多いように思いました。

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昨晩、かつてバイオベンチャーの経営を実際に自ら行われて、現在はバイオクラスターの運営等にも関わっていらっしゃる方々とお話をする機会がありました。

そのお話の中で印象に残ったことは、
「技術や特許も大事だが、アントレプレナーがいないとベンチャーは成功しない。
 日本は米国を目指してインフラ整備は進めてきたがアントレプレナーはまだ多くない(バイオ分野においては確固たる成功例はまだないだろう)。
 日本では技術が生まれた場所(大学等)にこだわって、その場所で無理矢理ベンチャーを作ろうとするが、アントレプレナーが不在であればうまくはずもない。
 まずは、アントレプレナー、ビジネスモデルありきである。」ということ。

ベンチャーも一人では何も出来るはずがなく、
アントレプレナーがいる場所に行く方がよいのか、
日本でアントレプレナーの仲間を集める方がよいのか考えていきたいと思います。

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昨晩は場所を移動した二次会(カラオケ)にて、なんとJBCバイオツアーのスピーカーの方と再会することができました!
のど自慢グランドチャンピオンの歌声はマジですごかったです!CD是非買わせて頂きたいと思います!